2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22791656
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 華子 京都大学, 医学研究科, 助教 (20372162)
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Keywords | 眼科 / 緑内障 / 治療 |
Research Abstract |
緑内障は、現在、日本において中途失明の一番の原因となっている。薬剤や手術による眼圧降下が唯一の予防・治療法であるが、眼圧をコントロールしてもなお進行する場合や、眼圧降下が困難な場合も多い。本研究では、神経保護作用をもつ可能性のある新規化合物によって、緑内障の進行予防が可能か検討する。 1)網膜培養細胞・網膜器官培養での検討 緑内障は、網膜神経節細胞が変性・脱落する疾患であるため、まず網膜神経節細胞に対して、細胞保護効果のある薬剤候補を確定した。器官培養を行った網膜にNMDAを加え、網膜神経節細胞および網膜内顆粒層の神経細胞死をおこし、細胞保護効果の確認されている、京大で新規に合成された化合物を加えることで、網膜器官培養でも、神経細胞死が抑制されるかどうか検討した。その結果、数種類の新規化合物で、網膜器官培養において、神経節細胞死が抑制され、神経節細胞保護効果が認められることが明らかになった。 2)光干渉断層計を用いた、マウス神経節細胞の経時変化の検出法確立 網膜神経節細胞に保護作用をもつ薬剤を、マウスモデルに投与するにあたって、同一個体での神経節細胞および神経線維層の経時変化を見ることは、大変重要である。その目的のために、光干渉断層計を用い、マウスで網膜神経節細胞や網膜神経線維層が描写されることを確認した。その後、網膜神経節細胞の急性障害として使われるNMDA硝子体注射モデルマウスを用いて、神経節細胞・網膜神経線維層の菲薄化の経時変化を、画像としてとらえられることを確認した。また、画像取得後に、実際に眼球摘出後、組織像と、光干渉断層計での網膜描写像とを比較し、今までの組織学的な評価と同等の評価が光干渉断層計でも可能であることを確認できた。
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Research Products
(2 results)