2010 Fiscal Year Annual Research Report
短焦点高速型波面センサーを用いたオキュラーサーフェス疾患の光学的特性評価
Project/Area Number |
22791659
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高 静花 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (00570590)
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Keywords | オキュラーサーフェス / 視覚の質 / 波面センサー / ドライアイ |
Research Abstract |
日常生活状態における瞬目間隔を反映し、できるだけありのままの涙液動態下において収差測定ができるような測定条件を確立した。メトロノームを用いて瞬目間隔を5秒として1秒間に10回の収差測定を行えば最長23秒測定することができ、瞬目抑制にはならない程度で瞬目を繰り返す中での収差変化を観察することが可能であった。また、より細かく高次収差の変化を観察する際には、1秒間に30回の測定を行うことが可能であったが、測定時間は最長8秒であった。 正常眼において、2種類の点眼液、0.1%ヒアルロン酸ナトリウムと防腐剤無添加人工涙液による点眼前後の眼球高次収差の経時的変化を検討した。その結果、点眼1風後、5分後、30分後のいずれの時点においても、点眼前に比べて高次収差変化に有意な変化を認めなかった。また、2種類の点眼液で有意な差はみられなかった。このことから、正常眼のおいては、0.1%ヒアルロン酸ナトリウムと防腐剤無添加人工涙液が高次収差に及ぼす影響に差はなく、また点眼による影響もあまりないと考えられた。 また、短焦点高速型波面センサー測定で得られる高次収差変化と涙液量の関連を調べるために、その予備研究として、前眼部光干渉断層計を用いて涙液減少型ドライアイの涙液メニスカスの観察および他のドライアイ検査との関連の検討を行ったところ、涙液メニスカスの高さは瞬目3.5病後には瞬目0.5秒後に比べて有意に増加した。また、涙液メニスカスとシルマー試験5分値の間に有意な正の相関、角膜上皮障害スコアと有意の負の相関がみられた。
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