2011 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー性結膜疾患における眼表面上皮バリアーの関与
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22791664
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
福田 憲 高知大学, 教育研究部・医療学系, 准教授 (70335751)
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Keywords | アレルギー / 細胞・組織 / 上皮細胞 / バリアー / 角結膜 / サイトカイン |
Research Abstract |
本年度は,前年度でインターロイキン(IL)-4およびIL-13で角膜上皮細胞のバリアー機能が低下する結果をもとに,培養細胞を用いたバリアー機能の研究と,マウスアレルギー性結膜炎モデルにおける上皮バリアーの研究を行った。 まずIL-4,IL-13以外のサイトカインについて培養ヒト角膜上皮細胞のバリアー構成蛋白の発現について,免疫染色法で検討した。その結果,炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子(TNF)-α,IL-1βを添加して培養すると角膜上皮細胞のzonula occludens (ZO)-1の細胞境界における発現が部分的に抑制された。さらに近年アレルギー炎症において重要な役割を果たしていることが報告されているIL-17およびIL-33も同様にZO-1の発現を部分的に抑制した。また治療薬の検討を行い,副腎皮質ステロイド薬であるデキサメサゾンはIL-4およびIL-13による角膜上皮細胞のバリアー機能の低下を有意に回復させた。 マウスアレルギー性結膜炎モデルにおいても結膜上皮および角膜上皮のバリアー構成蛋白の発現を免疫染色法にて検討した。ブタクサ花粉をアジュバントと共に能動免疫した後に,ブタクサ花粉を点眼した群は点眼しない群に比して,結膜上皮のE-cadherinの染色性が低下していた。ブタクサ花粉は不溶性抗原であることや花粉抗原自体に蛋白分解活性がある可能性を考え,さらに可溶性の抗原である卵白アルブミン(OVA)を用いたモデルにて同様の検討を行った。対照として,OVAを経口投与して免疫寛容を誘導した後に感作,点眼を行ったマウスを用いた。OVAで感作・点眼したマウスの結膜および角膜上皮では,経口免疫寛容により炎症が生じていない群に比してE-cadherinの染色性が低下していた。
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