2011 Fiscal Year Annual Research Report
加齢黄斑変性症及び緑内障におけるスカベンジャー受容体を介する治療法の基盤研究
Project/Area Number |
22791670
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
猪俣 泰也 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (50452884)
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Keywords | N-acetyl-cystein / 脈絡膜新生血管 / スカベンジャー受容体 / 酸化ストレス / 加齢黄斑変性症 |
Research Abstract |
加齢黄斑変性症や緑内障は、近年の基礎研究から両疾患ともに酸化ストレスが病態進展の一因であることが報告されている。以前我々は加齢黄斑変性症における脈絡膜新生血管の形成に酸化LDL受容体であるスカベンジャー受容体が関与することを報告(Inomataet al.Suppression of choroidal neovascularization in lectin-like oxidized low density lipoprotein type-1-deficient mice.Invest Opthalmol Vis Sci.3970-3976, 2009)した。本研究においても酸化ストレスに着目した加齢黄斑変性症や緑内障での病態進展への影響を検討することを目的とした。今回、我々は酸化ストレスによる加齢黄斑変性症の影響を検討するためにラットでのレーザー誘発脈絡膜新生血管モデルを作成した。脈絡膜新生血管形成の過程でMCP-1などの炎症性サイトカインが産生されることを確認し、抗酸化物質によってその産生が抑制されることにより、脈絡膜血管形成の初期に酸化ストレスが関与していることを確認した。また血管形成初期に生じる転写因子であるNF-κBの核内移行も抗酸化物質で抑制されることも確認した。しかしながら各種の酸化LDL型受容体での加齢黄斑変性症や緑内障に関する検討に関しては本年度では解明できなかった。
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