2011 Fiscal Year Annual Research Report
Transwellを利用した極性をもつ網膜色素上皮細胞の培養法の確立
Project/Area Number |
22791674
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
園田 祥三 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (20325806)
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Keywords | 細胞・組織 / polarized cell / 網膜色素上皮 / 加齢黄斑変性 |
Research Abstract |
近年、Transwellを利用した網膜色素上皮細胞(RPE)培養によって、細胞極性を示すRPE (polarized RPE)培養が可能になっている。我々は、さらに培養法を改良し、ヒトおよびブタRPEで、細胞極性が高くより分化した培養法を確立した。極性RPEの特徴は、形態的には細胞表面に微絨毛がよく発達、tight junction, adherence junctionがよく発達し形態的に生体RPEときわめて類似。機能的には、trans epithelial resisatance (TER)値がブタで200Ω・cm2以上)、permeability assayで自由な物質の透過が制御、さらにVEGFやPEDFの極性分泌が生体と同じであることを確認した。 また、transwellを利用した研究における優位点は、極性を持っている事、transwellにより培養チャンバー内が上下2つのコンパートメントに分けられるため、RPE上皮面・基底面と分けての解析が可能なこと、さらにtranwell上での免疫染色が可能なため、極性を維持した状態で実験ができることが挙げられ、より生理的な状況での解析が可能である。そこで、炎症性サイトカインであるTNF-aをブタRPEに作用させた実験では、極性を持たないRPEと極性を持つRPEとではVEGF分泌における反応が異なること、またTNF-aではバリア機能を反映するTERやtight junction蛋白であるZO-1の発現が低下し、その作用にはp38MAPKが重要である事を確認した。すなわち、従来までのARPE-19を中心とする、極性を持たないRPE培養系を用いた場合と異なる結果或いは確認できなかった現象を再現できた。すなわち、より生体RPEに近い状態での解析が可能であった。今後これらの研究を継続して、網膜疾患のより正確な病態メカニズムの解析を行うことが可能であると考えている。
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[Presentation] NSAIDs点眼による脈絡膜血管新生抑制2011
Author(s)
吉永就正, 有村昇, 大塚寛樹, 竹之内和則, 貞村ゆかり, 野間聖, 川原幸一, 園田祥三, 橋口照人, 丸山征郎, 坂本泰二
Organizer
第115回日本眼科学会総会
Place of Presentation
東京国際フォーラム(東京都)
Year and Date
2011-05-13
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