2010 Fiscal Year Annual Research Report
健診を対象とした眼底検査の知的診断支援システムの開発
Project/Area Number |
22791675
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
畑中 裕司 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (00353277)
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Keywords | 眼医工学 / 画像解析 / 眼底 / 緑内障 / 糖尿病網膜症 / 高血圧性網膜症 |
Research Abstract |
眼科的疾患の緑内障と、内科的疾患である高血圧症に対して、眼底画像から画像解析技術によって自動計測または自動検出する手法の開発に取り組んだ。前者の疾患については視神経乳頭の陥凹拡大の程度を定量的に示すために、乳頭陥凹部(cup)と乳頭(disc)の径比(C/D比)を自動計測する手法の開発を進めた。眼科医は血管の変曲点を脳裏で検知して陥凹の領域を判断しているが、画像認識アルゴリズムに置き換えることは困難である。しかし、陥凹部の輪郭付近で画素値に変化のあることが予備実験でわかったため、初期段階では上下端の領域で画素値変化の大きい位置を検出し、それらの水平レベル差を陥凹径としてC/D比を自動計測した。その後の研究で、陥凹部の輪郭を全周方向で自動決定可能となった。ROC (receiver operating characteristic)解析によって求めたAUC (area under the curve)を用いて45乳頭の眼科医と本手法の結果を比較したとき、そのAUCが同等である結果を得た。なお、両者のAUCは0.95である。次に、網膜領域を解析するために、血管径の計測方法を開発した。本年度は眼底における動脈硬化の所見である静脈口径比の自動計測手法の開発を進めた。その手順は、血管領域の自動検出、交叉部の自動検出、静脈口径比の自動計測による交叉現象の検出である。静脈口径比は、交叉部の直近の静脈径と、交叉部から一定距離だけ離れた位置の静脈径を自動計測することで実現した。24枚の眼底画像に対して初期的な実験を行ったとき、59%の交叉現象を自動検出した。73%の交叉部を自動検出できていることから、静脈口径比の計測手法の改良が必要である。
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