2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22791687
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
持丸 博史 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90424168)
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Keywords | 網膜 / 糖尿病 / 低酸素 |
Research Abstract |
糖尿病網膜症の病態には炎症が含まれることが知られ、その際に神経網膜から誘導される血管内皮増殖因子(Vascular endothelial growth factor;VEGF)が血管や白血球動態に影響することが知られている。一方、糖尿病網膜症ではアンジオテンシンIIシグナルにより視機能障害が生じることが知られる(Kurihara Ozawa et al.Diabetes, 2008)。しかしそれらの液性因子の誘導に関するデータはあまりなかった。そこで、炎症反応や低酸素により誘導され、VEGFおよびアンジオテンシンII発現を促進しうる転写因子、Hypoxia induciblefactor 1-α(HIF1-α)の糖尿病網膜症における役割を解析した。網膜特異的HIF1-αノックアウトマウスを用いた糖尿病網膜症モデルを作成し、炎症性サイトカイン等の発現について解析した。まず、網膜特異的HIF1-αノックアウトマウスの表現型を解析した。その結果、特に目立った網膜構造の違いを認めないことが確認された。さらにこのマウスと野生型マウスにおいて糖尿病網膜症モデルを作成した。そのマウスの網膜サンプルを採取し、各種炎症性サイトカインの解析を行った。その結果、少なくともVEGFおよびレニンアンジオテンシンシグナルについては、有意な差を認めなかった。しかし、別の網膜特異的HIF1-αノックアウトマウスでは、糖尿病誘導時の網膜内VEGFの発現に差が見られたという報告もあり、さらなる検討が必要と考えられた。
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