2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22791697
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
山口 剛史 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (20383771)
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Keywords | 周辺視野 / 波面収差 / 近視 / 点像強度分布 / 角膜移植 |
Research Abstract |
本研究では1)周辺視野における光学特性のデータ蓄積、2)周辺視野の光学特性が眼球成長に与える影響を調べること、3)様々な角膜移植眼での光線追跡法を用いた波面収差解析を目標としている。今年度は、1)正常眼、円錐角膜眼、眼内レンズ挿入眼において、そのデータ蓄積と解析を行った。2)当施設の倫理委員会の承認のもと、成長期の10~12歳のボランティア(近視眼、正視眼計30眼)の中心視野、周辺視野の光学特性(点像強度分布)データを取得し、今後さらに詳細なデータ解析を要するものの、近視眼では点像強度分布が正視眼と比較して、最も焦点があう点像強度分布の比較において中心では差がないが、周辺では良好であることがわかった。今回、周辺視野の光学特性以外に、屈折度数、水晶体厚、前房深度、眼軸長のデータ取得を同時に行っており、今後、ボランティアを経時的に点像強度分布を追うことで周辺視野での網膜像の劣化が近視進行、眼軸延長に与える影響について、検討すると近視進行のメカニズムについて新しい知見が得られることが期待される。次に3)について、正常眼、様々な角膜移植術(全層移植、深層層状移植、内皮移植)の前眼部OCTによって取得した角膜前面・後面の位置情報から光線追跡法を用いて波面収差解析をすることができた。この結果、実際の患者の視力と有意な相関を示し、十分臨床応用が可能であることが期待されるとともに、コンピュター上で光学面を再構築して周辺視野光学特性のシミュレーションを今後実現する足掛かりとなることが十分に期待される。
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