2010 Fiscal Year Annual Research Report
加齢黄斑変性サルの網膜色素上皮細胞における分子生物学的解析及び新規治療法の探索
Project/Area Number |
22791703
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
池 在龍 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 臨床研究センター分子細胞生物学研究部, 研究員 (30567459)
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Keywords | 細胞・組織 / 病理学 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
1. 黄斑変性症カニクイザルの網膜色素上皮(RPE)細胞の病態生理学的解析 疾患ザルの初代培養RPE細胞を播種し、培養6日後の細胞数を測定した結果、正常個体のRPE細胞に比べ著しく増殖能が低下、或いは遅くなることが分かった。タイトジャンクションタンパク質であるZO-1の免疫染色とウェスタンブロッティングでは、発現が顕著に減少した。RPE細胞は、老化し脱落する視細胞の外節を貪食作用により、細胞の中に取り込み分解することで微環境を守る。この貪食作用をタイムラップス顕微鏡で撮影した結果、その機能が明らかに低下していることが判明された。以上の表現型解析から、このカニクイザル疾患モデルはヒトの加齢性黄斑変性症フェノタイプと非常に類似していることが示唆された。 2. 網膜色素上皮細胞の遺伝子発現解析 初代培養カニクイザルRPE細胞からトータルRNAを抽出し、cDNAマイクロアレイ解析を行った。解析にはRhesus Macaque(V2)Gene Expression Microarray(4×44K、アジレント社)とFilgen Array for Macaca fascicularis(フィルジェン社)の二種類のチップを使用した。その結果、多くのケモカインや補体因子の著しい発現増加が認められた。また、これらタンパク質の発現変化を免疫染色とフローサイトメーターで確認した。さらに、今まで報告のなかったある遺伝子の発現変化を初めて見つけた。その発現変化をRT-PCRやウェスタンブロッティングにより確認した。生物学的分類では免疫関連や炎症性関連遺伝子の発現変化が最も激しかった。現在、更なる機能解析を行っている。
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Research Products
(1 results)