2010 Fiscal Year Annual Research Report
脱分化成熟脂肪細胞(DFAT)を用いた難治性炎症性腸疾患に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
22791714
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小沼 憲祥 日本大学, 医学部, 専修医 (50553103)
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Keywords | 脱分化脂肪細胞 / IDO / 1-MT(1-methyl-tryptophan) / T細胞増殖抑制 |
Research Abstract |
脱分化脂肪細胞(DFAT)をサイトカイン各種(IFNγ、β、TNFα)の存在下に培養を行い、遺伝子発現をSYBR GreenによるqPCRにて評価した結果、遺伝子(HLA-E,HGF)の発現はIFNγ存在下にて有意に発現していた。また、遺伝子(TNFSF10(TRAIL),IDO1)はすべてのサイトカイン各種の存在下にて有意に発現が上昇していた。上記の遺伝子発現をもとにIDO1に着目し、機能検討を行った。IFNyの存在下にDFATを培養した培地のIDO活性は、IDO阻害因子として知られる1-MT(1-methyl-tryptophan)を添加すると活性の低下がみられた。DFATの培養系では、IFNγの刺激によるIDO発現を1-MTにより中和(阻害)が起こることが確認できた。そこで、すでに確立しているCD3/28抗体を用いたヒト末梢血CD3陽性T細胞の増殖実験において、DFATによるT細胞の増殖抑制効果とさらに1-MTを用いた阻害作用の確認を行った。ヒト末梢血CD3陽性T細胞はCD3/28の刺激に応じて増殖が起こるがDEATとの共培養を行うとT細胞の増殖は抑制されることがあきらかになり、その効果はDFATの細胞数に応じて強く抑制されることが明らかとなった。さらに1-MT存在下では、DEAT共培養時のT細胞増殖抑制効果を阻害する効果がみられた。このことからIDO遺伝子はT細胞増殖を抑制する機能遺伝子であると考えられた。しかしながらT細胞増殖抑制を完全に阻害できるものではなかったことから、DEATによるT細胞抑制の機序としては、IDO遺伝子は大きくかかわるものの、それ以外の遺伝子の関わりを示唆するものとなった。
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