2011 Fiscal Year Annual Research Report
脱分化成熟脂肪細胞(DFAT)を用いた難治性炎症性腸疾患に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
22791714
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小沼 憲祥 日本大学, 医学部, 専修医 (50553103)
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Keywords | 脱分化脂肪細胞 / DFAT / 炎症性腸疾患 / 免疫抑制 / Busulfan / DSS |
Research Abstract |
マウス炎症性腸疾患モデルを確立し、DFAT投与を行い炎症の改善を検討した。マウス炎症性腸疾患モデルとしては、BALB/cAマウスの脾臓を摘出したのち、フローサイトメトリーにてCD4^+CD45RB^<bhght>T細胞を分離し、CB17/lcr-scid/scidマウスの腹腔内に投与することで炎症を惹起するモデルと、DSS(Dextran Sodium Sulfate)を飲用水に溶解し、約一週間BALB/cAマウスに飲水させることで炎症を惹起させるモデルを用いた。CB17/lcr-scid/scidマウスの腹腔内投与モデルは炎症が比較的慢性期にわたり惹起され、DSS飲水モデルは急性期の炎症を惹起するモデルとして用いた。炎症の評価は、体重変化とマウス大腸の腸管長並びに漿膜面への肉眼的炎症度合にて評価し、組織はHE染色による腸管粘膜面への炎症性細胞の浸潤にて評価した。上記二つのモデルを用いて炎症性腸疾患モデルの確立を行いDFAT投与にて腸管炎症の改善を検討したところ、個体によって炎症改善の効果が異なり、DFAT投与による効果は認めたものの十分とは言えなかった。既存の報告では、腸管炎症の改善には骨髄間葉系幹細胞の寄与が示唆されており、腸管炎症に対しての外来性間葉系幹細胞の効果は、認めにくいということが報告されていることから、引き続き、Busulfanの前処置を行ったマウスに対してDSS飲水による腸管炎症の惹起を行い、腸管炎症が安定して惹起することを確認してから、DFAT投与による腸管炎症の改善を検討した。DEAT投与群では、対照群(PBS投与)と比較すると、体重減少が緩徐であり、腸管長も対照群と比較して長かった。HE染色でもDFAT投与群では、対照群と比較して炎症性細胞の浸潤に差がみられた。以上のことから、免疫抑制能をもつDFAT投与により、腸管炎症の改善が見られた。
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Research Products
(1 results)