2010 Fiscal Year Annual Research Report
ラット交叉神経移植モデルにおける神経端側縫合と血管柄付神経移植の検討
Project/Area Number |
22791729
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
梅川 浩平 獨協医科大学, 医学部, 助教 (70458371)
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Keywords | 医療・福祉 / 移植・再生医療 / 脳・神経 |
Research Abstract |
顔面神経麻痺の治療において、神経端側縫合を利用した治療が報告されてきているが、神経端側縫合の神経再生メカニズムは完全には解明されていない。神経端側縫合は、端々縫合に比べ、ドナー神経の犠牲が無い点で優れているが、力源としては劣っている。また、端側縫合ではドナー神経から側芽が萌出し、レシピエント神経側に伸長すると考えられているが、一つの神経細胞が異なる筋肉を支配している状態は認められていない。そこで、側芽からレシピエント神経側に伸長した神経線維が終末器官に到達し、機能し得るものは、ドナー神経本幹内の神経終末到達していなかった線維ではないかと考えた。つまり神経再生の程度は、端々縫合、端側縫合の縫合法による差ではなく、神経終末に到達していない神経線維の数に影響され、それが再生軸索の数に影響するのではないかと考えた。以上を検証するため、ラット交叉神経移植モデルを使用し、縫合法による神経再生を検討した。右正中神経をドナーとし、大腿神経を左正中神経に交叉神経移植を行った。その際、端々縫合する群、端側縫合する群、端側縫合し、ドナー神経末梢を切断する群の三群を作製した。神経縫合後12週の時点で、ドナーの神経縫合部の近位部、グラフト中央部、レシピエント神経縫合部の遠位部の三カ所において、神経刺激装置による神経再生を確認し、それぞれの群間における再生軸索の計量を行うべく、検体を採取した。今後、神経再生の程度を定量化し、評価を行っていく予定である。
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