2011 Fiscal Year Annual Research Report
生体電気インピーダンスを用いた血行動態モニタリングの開発
Project/Area Number |
22791733
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
白石 知大 杏林大学, 医学部, 助教 (40433726)
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Keywords | 遊離皮弁 / モニタリング / 生体電気インピーダンス |
Research Abstract |
前年度の研究に継続し、Wister系ラットを用いて、生体各組織の測定モデルを作成した。皮膚・皮下組織モデルとして鼠径部で大腿動静脈のみで島状に挙上した皮弁・および脂肪弁を用い、筋肉・骨膜モデルとして前脛骨筋弁を用いた。腸間膜モデルとして上腸間膜動静脈を茎とする腸間膜を含む小腸弁を用いた。上記各モデルで組織のインピーダンスを測定し、cole-cole plotを作成した。cole-cole plotは2分おきに2時間作成し、安静時データとする。その時点で茎となる動静脈をそれぞれクランプし、その後2時間およびクランプ解除後2時間の経過を測定し、操作とcole-cole plotの変化の関係を求めた。また、クランプ操作に不十分なクランプ操作(血流の低下)を行う群を作成し、緩徐な閉塞を来す群のモデルとし、同様に経時的に変化を測定し、第1段階で作成したモデルとの比較を行った。また、上記、動物モデル研究の継続を行いながら、臨床でのデータ収集も行った。血管柄付き遊離複合組織移植術および遊離皮弁術を施行する症例において、すでに院内倫理委員会承認済みのプロトコールで皮弁の電気インピーダンスを測定した。具体的には上記手術術中・術後2日目まで経時的に皮弁のインピーダンスを測定する。研究期間中に血栓形成をする症例が認められた場合には、そのデータの解析を行う。研究期間中に血栓形成を形成するトラブルを生じるような症例がない場合には、インピーダンス変化とバイタルサインの変化の様子を比較検討する。結果として、脂肪弁、筋弁、小腸弁でも前年度の皮弁と同様のインピーダンス変化が得られることが認められた。また、臨床例では1例で血栓形成を捉えることに成功した。
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