2010 Fiscal Year Annual Research Report
電圧負荷式冷蔵庫(氷感庫)を用いた組織保存、再接着の検討
Project/Area Number |
22791742
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
畔 熱行 関西医科大学, 医学部, 助教 (20509492)
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Keywords | 氷感庫 / 組織保存 / 再接着 / マイクロサージャリー |
Research Abstract |
目的:マイクロサージャリーの技術を用いて切断四肢(指趾)の血管吻合を行い、血行再開させることで再接着を行っている。再接着までの間、断端四肢(指趾)は低温保存2~4℃される。再接着可能時間は24時間以内とされ大きな制約があるが、マイナス温度で凍結しない保存庫として新規開発された電圧負荷式冷蔵庫(氷感庫)(電圧を負荷することにより分子を振動させ、組織内の水分を凝結させずに過冷却することにより、氷点下でも凍結しない保存庫として新規開発された機器)を用いることにより、組織の代謝を下げ保存時間の延長ができる可能性がある。切断指などの大きい組織の生着には血流の維持が重要であるため、本機器を用いラット血管の評価を行った。方法:電圧負荷式冷蔵庫を用い、(1)4℃電圧無し、(2)-4℃電圧負荷(1000v)、の条件でラット(Wistar系 雄:5週令)より採取した大腿動静脈を保存した。それぞれ10、14、21日目に検体を取り出し、組織学的に検討を行った。HE染色で血管内膜の経時的な変化を観察し、Von Willebrand Factorによる血管内皮細胞の染色を行い評価した。結果:Von Willebrand Factor染色組織標本で10日目において(1)群では血管内皮細胞が染色されず、血管内皮細胞の脱落を認めた。(2)群においては血管内皮細胞が染色され構造が保たれていた。14日目21日目のおいては(1)群(2)群ともに血管内皮細胞は染色されず脱落を認めた。まとめ:電圧負荷における血管の氷点下非凍結保存をおこない血管内皮細胞をVon Willebrand Factorにて染色し構造を検討した。-4℃ 1000v 10dayでは動脈の血管内皮細胞の構造が4℃下での保存に比べ保たれていた。電圧負荷における氷点下保存により、組織の保存期間を延長させる可能性を示唆した
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