2011 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症での血糖値が単球系細胞のオートファジー、アポトーシス変化と予後へ及ぼす影響
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22791752
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中山 力恒 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (90568198)
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Keywords | 炎症性消退脂質 / RNA干渉法 |
Research Abstract |
我々は糖濃度の異なる培養液を用いた細胞培養実験において分化型THP-1(単球系培養細胞)またはヒトMacrophageにおけるLPS投与後の細胞内及び培養液のサイトカイン、小胞体ストレス、アポトーシス、オートファジーの発現、及びその上流の細胞内シグナル変化との関係を解析し、LPS投与下高糖濃度負荷により単球系細胞においてオートファージーの過度の発現と、小胞体ストレスが関与するアポトーシスが促進され、ファゴサイトーシス(食作用)が抑制されたことを去年度の日本麻酔学会学術集会で報告した。今年度は、In Vitro実験系において、LPS投与下高糖濃度負荷により細胞内PI3K/Akt/mTOR Pathwayが抑制されているとの仮説の元、実験計画を立てた。 実験結果として、LPS投与下高糖濃度負荷により分化型THP-1(単球系培養細胞)またはヒトMacrophageにおいて、負荷48時間後よりAktリン酸下が抑制され、mTORの発現も抑制されたことをフローサイトメトリー及びウエスタンブロットで確認した。 Akt,mTORをターゲットにしたsiRNAをTHP-1またはヒトMonocyte/Macrophageに導入することで、シングル及びダブル遺伝子ノックダウンを行い、細胞内シグナリングの変化、アポトーシス及びオートファジー発現の変化を観察し、細胞死変化及びHMGB-1,HSP70放出が変化することを観察した。(アポトーシスが促進されファゴサイトーシス(食作用)が抑制された。) これらの結果から、血糖管理による適度なオートファジーの誘導は抗アポトーシス作用がある事とPI3K/Akt/mTOR経路の重要性が示唆された。
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Research Products
(3 results)