2010 Fiscal Year Annual Research Report
実験的マウス頭部外傷モデルにおけるエダラボンの一酸化窒素消去能について
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22791755
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
宮本 和幸 昭和大学, 医学部, 助教 (80555087)
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Keywords | 頭部外傷 / 酸化ストレス / 二次的損傷 / 損傷周囲領域 / エダラボン |
Research Abstract |
重症頭部外傷(GCS8点以下)は未だに予後が悪く、治療法についての検討が急務とされている。頭部外傷では受傷直後に発生する直達損傷、その後に引き続いておこる二次的損傷があることが知られている。頭部外傷診療ではこの二次的損傷の抑制が非常に重要であり、様々な神経保護薬の研究・治験がおこなわれているが未だ有効な方法は確立されていない。 酸化ストレスは受傷後に過剰に産生され、二次的損傷の増悪に関与していることが知られている。エダラボンは本邦で現在臨床使用可能な唯一の抗酸化剤であり脳虚血性病変ににおいてその有効性が報告されているが、頭部外傷における作用については十分な検討がなされていない。 今回、マウス頭部外傷モデルでエダラボン投与による神経保護作用・その作用機序について検討をおこなった。結果、頭部外傷受傷後24時間後の損傷体積はエダラボン投与群で有意に改善を認め、損傷中心部分と比較して特に損傷周囲領域においてより改善を認めた。また、エダラボン投与群では損傷周囲の酸化ストレス代謝物(Nitrotyrosine, NT)の有意な減少を認めた。上記より、エダラボン投与により損傷周囲における酸化ストレスが有意に抑制され、神経保護作用につながっていることが考えられた。 今年度は、エダラボンの酸化ストレスに制御に関わる機序について検討をおこない、頭部外傷におけるエダラボンにお神経保護機序の解明をおこなう。
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Research Products
(17 results)