2011 Fiscal Year Annual Research Report
実験的マウス頭部外傷モデルにおけるエダラボンの一酸化窒素消去能について
Project/Area Number |
22791755
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
宮本 和幸 昭和大学, 医学部, 助教 (80555087)
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Keywords | 頭部外傷 / 活性酸素種 / 酸化ストレス / 二次性脳損傷 / エダラボン / ラジカルスカベンジャー |
Research Abstract |
【目的】重症頭部外傷は未だに救命が困難な疾患の一つである。その病態には受傷直後におこる一次性脳損傷とその後に生じる二次性脳損傷が知られている。この二次性脳損傷の抑制が患者の予後決定に非常に重要であり,酸化ストレスやフリーラジカルの関与が示唆されている。エダラボンは活性酸素消去作用をもち脳梗塞で神経保護薬として用いられている。しかし,頭部外傷における神経保護作用については十分な検討が行われていない。本研究はマウス頭部外傷モデルに対するエダラボンの神経保護作用を検討した。【方法】雄成熟マウスの右頭頂部に頭部外傷を作成した。受傷直後に生理食塩水またはエダラボン(3.0 mg/kg)を投与し,24時間後の損傷領域を計測した。次に,頭部外傷後のフリーラジカル産生,酸化ストレス,神経細胞死について受傷直後,受傷から3,6,24時間で経時的に評価した。さらに,頭部外傷から3時間後に生理食塩水またはエダラボンを投与し4時間後のフリーラジカル産生,抗酸化能(Biological antioxidant potential, BAP)について検討した。【結果】エダラボン投与群では有意に24時間後の損傷体積の減少を認めた。また,頭部外傷後3時間からフリーラジカルは過剰産生され,酸化ストレス,神経細胞死は受傷から6時間後に認められた。さらに,受傷後3時間のエダラボン投与により損傷周囲のフリーラジカル産生の抑制と抗酸化能の上昇を認めた。【結論】エダラボンは頭部外傷後に産生されるフリーラジカルを抑制し,抗酸化能を高めることにより過剰な酸化障害を抑制し神経保護作用を有することが示唆された。
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Research Products
(14 results)