2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22791759
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター |
Principal Investigator |
山田 成美 独立行政法人 国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター, 救命救急, 医師 (30463532)
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Keywords | 血液脳関門(BBB) / 肝細胞増殖因子(HGF) / tight junction / adherens junction / TEER / 透過性 |
Research Abstract |
ラット脳毛細血管内皮細胞において、肝細胞増殖因子(Hepatocyte Growth Factor;HGF)のレセプターであるc-metの発現が、Western BlottingおよびReal time-PCR法を用いて確認された。ラット脳毛細血管内皮細胞を用いた血液脳関門(Blood-Brain Barrier;BBB)単層in vitroモデルで、BBBのtight junction機能の指標であるTransendothelial electrical resistance(TEER)の測定および透過性試験を行うと、コントロール群に比しHGF投与群でTEERの上昇が認められ、透過性は低下した。よってHGFにより血液脳関門のtight junction機能が増強し、HGFはBBBに対して保護的に作用する可能性が示唆された。この機序として、HGF投与下のBBBにおけるclaudin-5,occludin,ZO-1等のtight junction構成タンパクの増加を予測し検証したが、Western Blottingや免疫染色の結果、有意な変化が見られなかった。そこでadherens junctionの構成タンパクであるE-cadherinをみたところHGF投与下で増加がみられ、また免疫染色ではHGF投与下でF-actinの増強が確認された。これにより、HGFはBBBにおいて細胞骨格の強化および再構成を行うことで保護的に作用すると考えられた。 また、ラット脳毛細血管内皮細胞を用いたBBBのタイトジャンクション機能において、Transforming growth factor-β(TGF-β)がHGFと相反する作用を有することが確認された。
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