2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌における癌細胞‐間質細胞間の接触による相互作用
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22791765
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宇佐美 悠 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (80444579)
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Keywords | 癌微小環境 / マクロファージ / intercellular adhesion molecule 1 / 口腔扁平上皮癌 |
Research Abstract |
口腔扁平上皮癌と間質細胞の接触による相互作用に関し、癌細胞におけるintercellular adhesion molecule-1 (ICAM-1)発現が、癌細胞とマクロファージとの接着に関与する可能性に着目し、以下の結果が得られた。 1.89例の口腔扁平上皮癌におけるICAM-1発現を免疫組織学的に検討した結果、ICAM-1発現の亢進が、腫瘍の厚み、リンパ節転移、深達度に相関する事を明らかにした。 2.5種類の口腔扁平上皮癌細胞株におけるICAM-1発現を検討したところ、1つの株では内因性ICAM-1の細胞膜への発現が確認され、ICAM-1を発現しない細胞株に外因性ICAM-1を一過性に強制発現させたととろ、細胞増殖能と運動能の亢進が見られた。 3.ICAM-1発現腫瘍組織と非発現腫瘍組織の腫瘍周囲環境に関して免疫組織学的に解析したところ、ICAM-1発現腫瘍では腫瘍の上皮成分内にマクロファージの浸潤が多いことを明らかにした。 4.ICAM-1はマクロファージの発現する接着分子Mac-1との結合部位を有しており、腫瘍組織および癌細胞株における解析にて、癌細胞とマクロファージがICAM-1・Mac-1を介して接触・結合していることを明らかにした。 腫瘍周囲に浸潤するマクロファージは腫瘍に促進的働きを示すとされているが、癌細胞-マクロファージの直接的な接触が癌細胞に与える影響に関しては明らかにされていない。今年度の結果より、癌細胞の発現するICAM-1が癌細胞自身の悪性形質の獲得に関与するだけではなく、Mac-1を介するマクロファージとの接看が癌細胞に促進的作用を有している可能性が示唆され、両細胞の接着を阻害することによる癌の増殖転移の抑制が可能となる可能性がある。
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Research Products
(1 results)