2011 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌における癌細胞‐間質細胞の接触による相互作用
Project/Area Number |
22791765
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宇佐美 悠 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (80444579)
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Keywords | 癌微小環境 / マクロファージ / ICAM-1 / 口腔扁平上皮癌 / 浸潤 / 転移 |
Research Abstract |
平成23年度は、口腔扁平上皮癌細胞におけるintercellular adhesion molucule-1(ICAM1)発言が、がん細胞とマクロファージとの密着に関与し、マクロファージとの直接的な接着を介して癌細胞が獲得する形質に関して解析し、以下の結果が得られた。 1.内因性CAM-1発現細胞株あるいは外因性ICAM-1矯正発現細胞株と、マクロファージへと分化誘導したTHP-1細胞株とを共培養したところ、両細胞は接着し、かつICAM-1依存症に接着していることを明らかにした。 2.内因性ICAM-1発現株とマクロファージへと分化誘導したTHP-1細胞株の直接的な接着による癌細胞に誘導される形質変化に関してcRNAマイクロアレイ法を用いて網羅的に遺伝子発現解析を行った。内因性ICAM-1発現細胞株を単独で培養した場合に癌細胞に発現する遺伝子と比較して、直接密着により細胞間接着分子やサイトカインなどの遺伝子発現が有意に上昇していた。 3.cDNAマイクロアレイ解析により得られた遺伝子変化に対し、数個の興味のある遺伝子を抽出し、mRNA変化を同様の条件で、定量的に解析したところ、cDNAマイクロアレイの結果を再現することが出来た。 主要周囲に浸潤するマクロファージは腫瘍に促進的働きを示すとされているが、癌細胞-マクロファージの直接的な接触が癌細胞に与える影響に関しては明らかにされていない。今年度の結果より、癌細胞の発現するICAM-1が癌細胞自身の悪性形質の獲得に関与するだけでなく、Mac-1を介するマクロファージとの接着が癌細胞に新たな形質を誘導していることが示唆され、両細胞の接着を阻害することによる癌の増殖転移の抑制が可能となる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)