2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原因菌表層タンパクの新規病原性因子の同定及び解析
Project/Area Number |
22791772
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大貝 悠一 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 助教 (40511259)
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Keywords | 細菌学 / 歯周病原因菌 / 外膜タンパク |
Research Abstract |
本年度は歯周病原因菌Fusobacterium nucleatum、Prevotella intermedia、Tannerella forsythiaの外膜タンパクの病原性に着目し研究を行った。ゲノム情報の解析からF. nuclaetumは30、P.intermediaは34、T.forsythiaは123の外膜タンパクをもつことが推定された。外膜タンパク画分をSDS-PAGEにより切り分け、InGelトリンプシン処理後のTOF-MS解析を行うことにより、F. nucleatumの60kDaのタンパクがGene ID FN1859のpo血様タンパク、63 kDaのタンパクがGene IDFN1003の長鎖脂肪酸排出系タンパク、90kDaのタンパクがGene ID FN1426のセリンプロテアーゼ様オートトランスポーターであることが明らかとなった。FN1003及びFN1426は補体系制御因子のFactorHと親和性を示すことから、これらがF. nucleatumの血清抵抗性に関与することが考えられる。また、T.forsythiaの100 kDaのタンパクがGenelD TF2663のS-layerタンパクであることが明らかになった。これらのタンパク及びアミノ酸配列の相同性解析により、他細菌の病原性を示す外膜タンパクと相同性の高いタンパクにおいては大腸菌発現株を作成し、ヒト培養細胞に対する付着・侵入活性、炎症性サイトカイン誘導性、血清抵抗性、口腔内他細菌との共凝集性を解析した。しかしながら、これまでのところ活性を示す大腸菌発現株は得られていない。F.nucleatumの外膜タンパクFN1859及びFN2047の大腸菌発現株は、F.nucleatun様の形態に変形した。この発見により、細菌の形態形成に外膜タンパクが関与する可能性が考えられた。
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