2010 Fiscal Year Annual Research Report
齲蝕予防を目的としたリプレイスメントセラピーの新戦略
Project/Area Number |
22791775
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
高橋 真和 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (40420921)
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Keywords | 齲蝕予防 / ムタナーゼ / 多糖分解酵素 / リプレイスメントセラピー / 齲蝕原性バイオフィルム / 多糖分解酵素産生菌 |
Research Abstract |
齲蝕予防を目的としたリプレイスメントセラピーに用いる多糖分解酵素産生菌を構築するために、本年度はヒトの齲蝕原性プラークバイオフィルムの分解に極めて有効と考えられているムタナーゼ(水不溶性グルカン分解酵素)産生菌の検索およびその遺伝子のクローニングと性状解析を行った。 本研究では口腔細菌由来のムタナーゼ遺伝子をクローニングするために、口腔細菌の標準菌株が持つムタン分解活性を調べた。基質となるムタンはヒト齲蝕原性細菌Streptococcus mutansがショ糖存在下で産生する菌体外多糖から調整し、寒天平板に混入させて使用した。ムタン分解活性はコロニー周囲のムタン分解によるハロー形成により判定した。その結果、Prevotella melaninogenicaがムタン分解能を有することが明らかになり、ムタナーゼ遺伝子の供与遺伝子として使用した。ムタナーゼ遺伝子の検索は、既に報告されているPaenibacillus sp.のα1,3-glucanaseの配列をもとに、P.melaninogenica ATCC25845ゲノムデータベース(TIGR)上で相同遺伝子を検索した。その結果、ムタナーゼ遺伝子ホモログは2904bpで、推定分子量105845.05 pI 5.57のタンパク質をコードしていた。次に、pET44cベクターに本遺伝子を組込み、プラスミドを構築した。このプラスミドを用いてE.coli BL21 (DE3)を形質転換し、Nus Hisタグ融合タンパク質として発現させた。その結果、形質転換体はムタナーゼ活性を有していた。よって、今後、ムタナーゼ遺伝子をリプレイスメントセラピーに用いる遺伝子として、共発現ベクター系に組込む予定である。
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