2011 Fiscal Year Annual Research Report
齲蝕予防を目的としたリプレイスメントセラピーの新戦略
Project/Area Number |
22791775
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
高橋 真和 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (40420921)
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Keywords | 多糖分解酵素発現株 / リプレイスメントセラピー / 齲蝕予防 |
Research Abstract |
齲蝕予防を目的としたリプレイスメントセラピーに用いる多糖分解酵素産生菌を構築するために、本年度は齲蝕原性バイオフィルムの主要構成多糖分解酵素の過剰発現株を構築のためのベクターを構築したので、本年度の研究実績を以下に報告する。 ヒトの齲蝕原性プラークバイオフィルムの主要構成多糖はデキストラン、ムタン、フルクタンである。このうち、デキストラン分解酵素(デキストラナーゼ)の活性は、ブルーデキストランを基質に用いることで容易に活性を検出できることから、まず、ベクターにデキストラナーゼ遺伝子を組込み、分泌系を確立することを目指した。本分泌系は最終的には、口腔内常在菌S. gordoniiでの分泌を想定しているため、Streptococcus属のシャトルベクターpVA838にpositive regulator rggに続けてS. gordonii gtfGのシグナルペプチド(cleavage site 34/35)を含む177bpを導入し、その下流にデキストラナーゼ遺伝子をクローニングした。デキストラナーゼ遺伝子のC末端部分には、LPXTGモチーフが存在し細胞壁に架橋されるため、分泌型としての機能を持たせるために、LPXTGモチーフ配列を欠失させてプラスミドを構築した。このプラスミドを用いて、S. godroniiを形質転換した結果、本菌は細胞外にデキストラナーゼを分泌したことから、gtfGのシグナルペプチドがS. godioniiでの多糖分解酵素過剰発現株の構築系で有効であることが確認できた。よって、今後はムタナーゼ遺伝子およびフルクタナーゼ遺伝子を本発現ベクターに組込み、S. gordonii多糖分解酵素発現株を作製し、本形質転換株のバイオフィルム形成阻害効果を評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多糖分解酵素過剰発現S. gordonii株を作製するために、発現ベクター系の構築およびS. gordonii多糖分解酵素過剰分泌株を作製していたが、形質転換体で過剰発現させるためのベクターの構築に時間を要したため、やや進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
構築した発現ベクター系にデキストラナーゼ遺伝子をクローニングし、S. gordoniiを形質転換した結果、形質転換体でのデキストラナーゼの分泌を確認することができた。今後はムタナーゼ遺伝子およびフルクタナーゼ遺伝子を本発現ベクターに組込み、S. gordonii多糖分解酵素発現株を作製し、本形質転換株のバイオフィルム形成阻害効果を評価する。
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