2011 Fiscal Year Annual Research Report
SUMO化修飾の阻害による骨芽細胞分化促進機構の解明
Project/Area Number |
22791781
|
Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
雪田 聡 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (80401214)
|
Keywords | 骨芽細胞分化 / SUMO化修飾 / マイクロアレイ / Gene Ontology解析 |
Research Abstract |
siRNAを用いたUbc9のノックダウンにより、SUMO化修飾を阻害することによって骨芽細胞分化を効率的に促進させる条件下で、遺伝子発現がどのように変化しているのかをDNAマイクロアレイを用いて網羅的に検討した。その結果をGene Ontology解析により機能面に着目して検討したところ、培養細胞C2C12細胞株においてBMP刺激のみの条件と比較し、BMP刺激とSUMO化修飾の阻害とを同時に行うことにより、骨芽細胞分化に関与する遺伝子群の発現が上昇する一方、筋分化に関与する遺伝子群の発現は有意に低下していた。このことから、SUMO化修飾の阻害がB細胞分化の制御に重要な役割を担っていることが示唆された。 マイクロアレイの結果からSUMO化修飾の阻害により発現が大きく変化し、SUMO化修飾による骨芽細胞分化制御に関与する可能性がある候補遺伝子を複数同定した。それらのうち、転写因子として機能するLhx8およびIrx1は骨組織において骨芽細胞に発現が認められた。さらにsiRNAを用いたノックダウンにより骨芽細胞分化が強く抑制された。これらの転写因子が骨形成に関与するという知見は今までになく、本研究で実施したSUMO化修飾に着目したスクリーニングによって、骨芽細胞分化に重要な役割を担っていることをはじめて明らかにした。 今後、これらの転写因子の機能解析や生体内での機能をさらに解析すること、および、他の候補遺伝子群においてもスクリーニングを行う事によって、骨芽細胞分化のメカニズムを詳細に解明できることが期待される。
|