2010 Fiscal Year Annual Research Report
インターフェロンγ誘導性遺伝子の低酸素による発現抑制機構の解析
Project/Area Number |
22791797
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
廣井 美紀 明海大学, 歯学部, 助教 (30419717)
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Keywords | シグナル伝達 / 低酸素 / インターフェロン / ケモカイン / 遺伝子制御 |
Research Abstract |
IFNγにより誘導されるケモカインMig/CXCL9およびIP-10/CXCL10は、CD8^+T細胞やNK細胞を腫瘍局所へ動員し、癌の増殖・浸潤を抑制していることが報告されている。一方、腫瘍局所では腫瘍の増殖に見合った血管新生が伴わないため、腫瘍内部は低酸素状態であることが報告されている。これまでに我々は腫瘍局所で見られる低酸素環境が、癌細胞におけるIFNγ誘導性遺伝子発現を抑制すること、さらにこの発現抑制はコアクチベーターCBP (CREB-binding protein), SRC-1 (steroid coactivator-1)やRNAポリメラーゼIIを含むプロモーター上での複合体形成(エンハンセオソーム)の阻害により起こるという知見を得た。またこれまでの結果から、この低酸素によるCXCL9およびCXCL10の発現抑制に、ヒストンのアセチル化修飾、低酸素により誘導される転写因子HIF-1 (Hypoxia inducble factor-1)が関与していない可能性が考えられた。そこで、本年度は、低酸素により誘導されるもう1つの転写因子であるHIF-2について検討を行った。293細胞にHIF-2発現ベクターおよびCXCL9およびCXCL10プロモーターコンストラクトを遺伝子導入し、ルシフェラーゼアッセイを行った結果、HIF-2によりCXCL9およびCXCL10遺伝子の転写活性が抑制された。この結果から、低酸素によるIFNγ誘導性遺伝子発現抑制にHIF-2が関与している可能性が示唆された。現在,HIF-2 siRNAを細胞内に遺伝子導入するためレンチウィルスベクターの作製を行い、解析を進めている
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Research Products
(1 results)