2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22791798
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
山田 篤 昭和大学, 歯学部, 講師 (50407558)
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Keywords | 遺伝子 / 細胞・組織 / 発生・分化 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
Cdc42はRhoファミリータンパク質に属する低分子量Gタンパク質の一つで、細胞の様々な機能にとって重要な役割を果たしていると考えられている。しかし、Cdc42の骨・軟骨形成における機能に関しては未だ不明な点が多い。申請者はCdc42の骨・軟骨形成における作用を検討するために、Cdc42遺伝子欠損マウスの解析が必要となった。しかし、Cdc42遺伝子を全身で欠損させたマウスは胎生初期で死に至る。そこで本年度は、肢芽間葉組織特異的にCdc42遺伝子を欠損させるために、Cdc42遺伝子エクソン1の上流および下流域にloxP配列を組み込んだマウス(Cdc42 flox)とPrxl-Cre Tgと交配させたコンディショナルノックアウトマウス(Cdc42fl/fl;Prxl-Cre)を作成した。その結果、Cdc42fl/fl;Prxl-Creマウスは出生後、1~2日目で死亡した。ただし、胎生期および生後1日齢においては、メンデルの法則に従う遺伝子型となっていた。胎生期および生後1日齢の骨・軟骨組織をアリザリンレッドおよびアルシアンブルーで染色し、四肢骨格標本を作製した結果、Cdc42fl/fl;Prxl-Creマウスの四肢は野性型マウスと比較し、上肢、下肢ともに短く、指の形成が不全であった。また、胸骨の形成に異常が認められ、Cdc42fl/fl;Prxl-Creマウスの胸骨(胸骨柄および胸骨片)は野性型マウスと比較し短く、また、剣状突起が無いもの、もしくは真ん中で破裂しているなど形成不全が認められた。以上の結果から、Cdc42は四肢・骨格形成にとって重要な遺伝子であることが示唆された。今後は、これらの表現型の詳細な解析を行う予定である。
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