2012 Fiscal Year Annual Research Report
ラット耳下腺腺房細胞における分泌顆粒の可視化と,生細胞を用いた成熟過程の検討
Project/Area Number |
22791803
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
加藤 治(勝俣治) 日本大学, 歯学部, 講師 (70349968)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 歯学 / 生理学 / 唾液腺 / 分泌顆粒 / エンドサイトーシス |
Research Abstract |
本研究はラット耳下腺腺房細胞のエンドサイトーシス経路を利用して分泌顆粒に色素を取り込ませることで分泌顆粒を可視化し,顆粒成熟過程を検討することを目的としている。ラットの腹腔内に分泌刺激をすると,安静時耳下腺腺房細胞内に充満していた分泌顆粒は2時間後には細胞内から消失し,5時間後から再出現することから,開口放出後の膜のリサイクリングを想定し,その経路を明らかにするため色素の取り込み実験を行った。アドレナリン作動性β受容体刺激薬であるイソプロテレノールをラット腹腔内に注射し,2時間後の耳下腺を摘出し,蛍光色素であるルシファーイエロー含有培地で3時間のインキュベーションを行った。まず,ルシファーイエローが細胞内に取り込まれていることを共焦点レーザー顕微鏡にて観察した。パーコール遠心法にて分泌顆粒を精製し,内容物から蛍光を検出することで分泌顆粒内への取り込みを確認した。さらに刺激依存的な分泌をカラムパーフュージョンにて検討すると,アミラーゼと一致した分画から蛍光が検出された。初代培養系により2日間の培養を行うと分泌顆粒は成熟し,球形と認識できる分泌顆粒のアミラーゼとルシファーイエローの蛍光が共局在していた。これらの結果はいずれも分泌顆粒内に蛍光色素が取り込まれたことを示していた。さらに,ルシファーイエローはDAB処理により不溶性の物質を産生するため,その細胞内局在を電子顕微鏡により検討した。その結果,分泌顆粒様の球形のオルガネラに濃縮していた。我々の結果は開口放出後の管腔側膜のリサイクリングと分泌顆粒の形成過程とに関係があることを示唆しており,分泌顆粒への色素取り込みの効率を上げることができれば,この耳下腺腺房細胞はオルガネラの成熟過程の検討に重要なツールとなることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)