2011 Fiscal Year Annual Research Report
電子線トモグラフィー法によるレジン接着修復界面の3次元超微細構造解析
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22791831
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三浦 治郎 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (70437383)
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Keywords | 象牙質 / 接着界面 / 電子顕微鏡 / コラーゲン / トモグラフィー |
Research Abstract |
象牙質のような未脱灰組織の接着界面は力を入れると破壊されてしまうため刃物による切削や研磨加工が非常に困難であった。しかし、今年度の新しい進展としてダイヤモンドナイフによる薄切を試みている点がある。FIB法では振動や摩擦も発生しないため非常に精度の高い切片が作成可能であるが、ナイフと違い試料作成効率が悪いため一度に加工できる試料が少ないという欠点も存在する。現在では、FIB法が破壊の少ないトモグラフィー像を得られるが、ダイヤモンドナイフを用いたウルトラミクロトーム法も今後は必要になってくると考えられ予備実験を進めていく予定である。今後ボンディングレイヤーなどの接着状態の観察だけでなく、歯科や整形外科領域におけるインプラントと骨のように人工材料と生体の界面に対して用いる際には、必要が出てくると考えられ今後の検討内容としてさらなる精度向上を考えていく予定である。 撮影内容としては、超高圧電子線トモグラフィー撮影においては再構築処理に適切な傾斜角度および角度steP幅の決定および撮影条件の絞り込みを行い-60°~60°の撮影範囲にて比較的精度の高い断層像が得られると確認できた。象牙質内のコラーゲン線維の構造を分析する際には、さらに良好なコントラストが得る必要があり電子染色の条件も加えて検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在界面の評価手法が既に確立しており高い精度で界面の微細構造観察が行える体制になっている。また、ミクロトームを使った切削による切片作成の完成度も上がってきており大量の界面状態を短時間に観察出来るシステムを構築しつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
3次元構築処理において得られた断層像からの3次元可視化モデルの作成再構築処理は代数的反復法のアルゴリズムにて再構築処理を行い良好な像が得られた。三次元断層像はトモグラフィーソフトウェアIMOD(Univ. of Colorado: 現有)および日本電子のソフトウェアTemographyを用いて作成を行った。今後はこれらの三次元像を解析用のデータに変換して様々な界面評価の指針にしていく予定である。
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Research Products
(4 results)