2010 Fiscal Year Annual Research Report
RNA干渉を応用した効果的な歯髄組織再生治療への取り組み
Project/Area Number |
22791842
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
藤原 英明 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (20405781)
|
Keywords | 歯内療法 / 細胞分化 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
近年,齲蝕の進行した症例においても可及的に歯髄を保存し,積極的に失われた硬組織を再生させることを目的に,増殖因子(growth factor)などの応用が検討されている。しかし,齲蝕や外傷などによって歯髄に炎症が発症すると,炎症性サイトカインが複雑にネットワークを形成して,その病態が形成される。炎症が存在する組織では増殖因子が少なくなるという報告もあり,再生療法の効果が充分に得られない可能性がある。そのため,歯髄組織の炎症増悪機序の解明と抑制方法を研究することは,再生療法の効果をさらに高める可能性がある。 本年度は,IL-6-可溶性IL-6レセプター(sIL-6R)複合体が炎症の増悪因子である血管内皮増殖因子(VEGF)産生について,どのようなシグナル伝達系を介して影響を与えるかを培養歯髄細胞を用いて検討した。 本年度の結果として,歯髄細胞は,比較対照群である歯根膜細胞とは異なり,IL-6単独で細胞内シグナル伝達系が活性化される特徴を有することが分かった。またIL-6により歯髄細胞のVEGF産生が亢進し,歯髄炎の増悪機序の一翼を担う可能性が示唆された。
|
Research Products
(2 results)