2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄のプラスミンによるCOX-2産生シグナルと炎症性サイトカインの相互作用
Project/Area Number |
22791846
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
神尾 直人 日本大学, 松戸歯学部, 助手(専任扱) (10508774)
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Keywords | 歯学 / 細胞・組織 / 炎症 / プラスミン / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究は、ヒト歯髄培養細胞におけるプラスミンによるプロスタグランジン(PG)E_2産生機構と炎症性サイトカインとの相互作用を解明し、歯髄炎の進行における歯髄細胞の機能的な特徴の一部を明らかにすることを目的とした。まず、PGE_2合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の産生メカニズムに焦点を当て、プラスミンによるCOX-2産生に関与する転写因子の検索を行う必要があった。 これまでの研究で、プラスミンはカルシニューリンを介してCOX-2のmRNA発現を促進することを解明しており、カルシニューリンの標的転写因子の一つであるnuclear factor of activated Tcell(NFAT)の動態について、ウェスタンブロット法にて細胞質内タンパク質および核内タンパク質に分けて検討した。その結果、プラスミン作用前は細胞質内に存在するNFATc-1は、プラスミン作用20分で核内に移行した。その核内への移行は、カルシニューリン阻害剤であるFK506にて抑制された。次にNFATc-1転写活性測定キットにてNFATc-1とプロモーター領域DNAとの結合能を検討した結果、プラスミン作用後NFATc-1の転写活性は促進傾向にあった。 今後さらにNFATの転写活性について詳細な検討を進め、さらに炎症性サイトカインとの相互作用がプラスミンのCOX-2産生シグナルのどの部位に作用するのかを解明する予定である。
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