2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄細胞の硬組織形成細胞への分化に及ぼすメカニカルストレスの影響
Project/Area Number |
22791851
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
白川 哲 鶴見大学, 歯学部, 助教 (50460176)
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Keywords | 歯内療法学 / メカニカルストレス |
Research Abstract |
近年メカニカルストレスを細胞に応用する動的培養系が注目され、静的条件とは違う知見が得られている。歯髄細胞は硬組織を形成する細胞であるが、同細胞に対する刺激を行った研究はない。そこで、本研究ではメカニカルストレスを歯髄細胞に与え、同細胞の硬組織形成に対するメカニズムを解明することを、目的とした。メカニカルストレスがかかる環境を可能とした培養システムであるFLEXERCELLを用い、ヒト歯髄由来細胞にメカニカルストレスを与え硬組織形成細胞への分化に関する予備的検討左行った。予備的検討においては、硬組織形成細胞の分化の指標であるALP活性ならびに最終的な硬組織形成能を評価するカルシウム沈着量はメカニカルストレス与えた群で亢進した。得た結果より異種歯髄細胞にも同等の影響があるかを検討するため、ラット歯髄細胞株RPC-C2Aにメカニカルストレスを与えたところ、ALP活性は与えないコントロール群に比べALP活性は著しく低下した。再現性を確認したところ、同様の結果となった。また、ヒト歯髄由来細胞(予備データで用いた細胞とは別の細胞)を用いて研究を行ったところ、予備データとは逆にRPC-C2Aで得たデータと同様の結果を得ている。検体を変え、数度行っているがALP活性はある一程度上昇するが、コントロール以上には上昇していない。しかしながら、予備データにおいても、同様の結果ながらカルシウム沈着量は亢進したデータもあるため、同実験を再度行い、カルシウム沈着量を計測し、同細胞の硬組織形成能の検討を行う予定である。予備データと逆の結果を得ている現在であるが、その要因としては、ヒトから歯髄を得た際の処理の違いにより起きている可能性、培養継代の低い細胞のため未分化性が維持されたままである可能性等が考えられる。
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