Research Abstract |
平成22年度は以下の結果を得た.1.ヒト骨格筋幹細胞,マウスES細胞とips細胞の象牙芽細胞への分化誘導の解析:Hanging drop法を施した後,レチノイン酸存在下で3日間浮遊培養させ,コラーゲン上に細胞を播種し,BMP-2,-4,-6存在下で7日間培養をおこなった.2.象牙芽細胞への分化の評価:(1)BMP-2,-4,-6添加後,形態学的変化を観察した結果,BMP-4添加群において長楕円型の明瞭な形態学的変化が観察された.(2)BMP-2,-4,-6添加7日後のFoxD3,Sox10,DSPP, Enamelysinの遺伝子発現を観察した結果,BMP-4添加群においてDSPPとEnamelysinの遺伝子発現が観察された.(3)DSPの発現を免疫染色法を用いて観察した結果,BMP-4添加群においてDSPタンパクの発現が観察された。(4)象牙芽細胞分化誘導後の石灰化能をALP染色とアリザリンレッド染色により観察した結果,BMP-4添加群においてALPとアリザリンレッド陽性細胞が観察された.3.象牙芽細胞分化誘導前後のintegrinの発現変化の観察:Integrin(α1,2,5,6,7,V)の発現変化を観察した結果,BMP-4添加群においてintegrin α2,α6,αVの発現が観察された,4.上記3.におけるintegrinの発現変化が遺伝子レベルで制御されているものであるか,プロモーターassayにより観察した結果,BMP-4添加群におけるintegrinの発現が遺伝子転写レベルで制御されていることが明らかとなった.5.3種の幹細胞の象牙芽細胞分化誘導における,Enamelysinの遺伝子発現と発現経路を観察した結果,マウスES細胞において,BMP-4添加群にEnamelysinの遺伝子発現が観察され,p38MAPKシグナルを介した制御機構の関与が示唆された.
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