2011 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠時ブラキシズムに対するスプリントの効果は交感神経活動の変化と関連するか?
Project/Area Number |
22791857
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
後藤田 章人 北海道大学, 大学病院, 医員 (70466465)
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Keywords | ブラキシズム / 交感神経 / スプリント / 睡眠 / 筋電図 |
Research Abstract |
本研究の目的は、睡眠時ブラキシズムに対するスプリントの効果の実態を自律神経活動との関係の観点から解明することである。スプリント装着により交感神経活動が「優位になる場合」と「変化なしあるいは減弱する場合」との仮説を立て、睡眠時ブラキシズムに対するスプリントの効果が患者により一定ではないという昨今の知見を自律神経活動の観点から検証しようとするものである。 コードレスで小型の筋電計、心電計を用い被験者の自宅でそれらを計測できる方法を構築した。連続した長時間の測定、記録が可能であり測定中の筋電図のノイズ等の問題は少なく、これらの測定が可能であった。対象はスプリントを使用していない健常ボランティア、およびスプリントを使用しているブラキシズム患者とした。患者群ではスプリント非装着日および装着日での測定を行った。 交感神経活動指数の一晩全体の平均値を算出し、各被験者における交感神経活動の値(以下、SNA)とした。健常者群では2回の測定を行ったが、同一被験者内でのSNAの日間変動は著しく大きなものではなく、両日の間には相関がみられ、今回確立した交感神経測定システムの本研究への応用は妥当であると考えられた。患者群においてはスプリント装着日の方が非装着日に比べSNAが低くなる例、またその逆になる例がみられた。装着日の方がSNAが低かった患者では、ブラキシズムの発現回数も装着日の方が少なかった。 測定方法の構築、健常者群のデータ測定に時間を要したため、2年間の研究期間においてスプリントを使用しているブラキシズム患者群の十分なサンプル数を得るまでには至らなかったが、本研究で構築された計測方法を用い、今後患者群のサンプル数を増やして評価をすることで、睡眠時ブラキシズムに対するスプリントの効果と自律神経活動との関係の解明に重要な役割を果たすことが可能と思われた。
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