2010 Fiscal Year Annual Research Report
顔面三次元計測に基づく義歯床形態が顔面の整容に及ぼす影響に関する検討
Project/Area Number |
22791860
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塙 総司 東北大学, 病院, 助教 (90431585)
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Keywords | 三次元デジタイザ / 義歯形態 / 顔面計測 / 顔面整容 |
Research Abstract |
顔貌は,義歯の人工歯の排列位置および義歯床形態と非常に密接な関連を有することが知られている。本研究は,義歯装着による顔貌の変化を非接触三次元デジタイザにより客観的に評価することにより,顔貌の整容を図り得る義歯形態を決定することを目的とした。 本年度では,臨床経験が5年以上の歯科医師が顔面非対称と判定した顔面非対称患者3名を用いた。各患者の顔面に13の計測点(左右外眼角点,鼻頂点,鼻下点,口唇点,左右鼻翼下点,左右口角店,顎欠損側頬部上の4点)を設定し,義歯装着時および義歯非装着時における計測点の三次元的な移動距離およびその方向を計測した。また,左右対となっている計測点に関しては,正中基準平面に対する非対称率と正中基準平面と左右の点を結んでできる直線との角度を計測した。なお,使用した正中基準平面は,申請者が過去に報告している方法を用いた。使用した義歯は標準的な手法により作製された日常使用している義歯を用いた。左右外眼角点は,すべての被験者において義歯非装着時と比較して義歯装着時もほとんど変化が認められなかった。その移動距離は0.23~0.28mmであった。一方で,外眼角点以外の計測点は,義歯装着により0.45~4.61mmの変化が認められた。左右鼻翼下点と左右口角点における非対称率においては一定の変化傾向は認められなかった。左右鼻翼下点間線と正中基準平面,左右口角点間線と正中基準平面との角度は義歯装着により90度に近づく傾向が認められた。一方,左右外眼角間線と正中基準平面とが成す角度には変化が認められなかった。本研究方法を用いることにより,通法により製作された義歯の装着時における顔貌の変化様相を簡便かつ視覚的に把握することができ,さらに精度よく計測・分析することが可能であった。
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