2011 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲン架橋構造の定量化を指標としたインプラント周囲骨骨質評価
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22791863
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊奈 慶典 東北大学, 大学院・歯学研究科, 大学院非常勤講師 (90508904)
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Keywords | コラーゲン / ピリジノリン / ペントシジン / 骨質評価 / HPLC法 / 骨密度 / オッセオインテグレーション |
Research Abstract |
本研究は,骨強度を判定する指標として骨内に存在するコラーゲン架橋に着目し,インプラント治療の際に必要とされる骨質評価に,骨密度だけではなくコラーゲン架橋構造という生化学的な評価を導入することで,患者ごとのオーダーメイドインプラント治療を確立することを目的としている.骨内のコラーゲン架橋構造として,生理学的架橋であるピリジノリンと非生理的架橋であるペントシジンを新たなパラメータとして選択した。非生理的架橋であるペントシジンの増加により骨質の脆弱化が引き起こされるとされているため,研究の初期段階として,骨内のコラーゲン架橋構造という生化学的な評価とインプラント体と骨との初期固定強度,オッセオインテグレーションの強度を経時的に測定・分析し,コラーゲン架橋構造が新たなパラメータとして有効であるかを明らかにする. 平成23年度は,動物モデルとなる16週齢Wistar系雌性ラット脛骨をマイクロCTにて撮影し,骨密度を算出した.その脛骨に含まれる生理学的架橋(ピリジノリン)と非生理的架橋(ペントシジン)の分析のために,摘出した脛骨を液体窒素を用いて粉末状に破砕後し,密度勾配分画法を施すことで骨単位を新旧に分画化し,分画した試料にHPLC法による分離を行うことで定量化を図った。マイクロCTによる骨密度とHPLC法によるピリジノリンとペントシジンの比率の相関を調査した.さらに,再現性のある結果を得るために,ピリジノリンとペントシジンの分離,定量方法の検索を行い,改良・検討した.
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