2010 Fiscal Year Annual Research Report
ジルコニアオールセラミック修復用ベニヤポーセレンの強度に関する研究
Project/Area Number |
22791864
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三浦 賞子 東北大学, 病院, 医員 (60431590)
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Keywords | ジルコニア / ベニヤポーセレン / オールセラミック / CAD/CAM |
Research Abstract |
近年,ジルコニアオールセラミック修復の需要が高まりつつある中,この修復方法の問題として,ベニヤポーセレンのチッピングが指摘されるようになってきた.発表者らはその原因を,フレームに用いるジルコニアの熱伝導率が金属と比べ非常に低い(Auの約1/80)ことやジルコニアの熱容量が大きい(Auの約5倍)ことから,ジルコニアフレームの厚さやベニヤポーセレンの焼成条件によってポーセレンの焼成不足や欠陥が生じるためではないかと考え,ジルコニアフレームの厚さの違いがベニヤポーセレンの強度に及ぼす影響について検討を行った. ジルコニアおよびKIKそれぞれ,10mm×15mm×0.4mmと10mm×15mm×0.8mmの2種類のフレームを製作し,通法に従いフレーム上にポーセレンを築盛・焼成し,ベニヤポーセレン全体の厚さが計3mmとなるようにした.強度の測定はJIS R 1607に準じ,破壊靭性試験を行った.ビッカース硬さ試験機(AKASHI MVK-H2)を用いて,ベニヤポーセレン部分のフレームからの距離が0.5mm,1.0mm,1.5mm,2.0mmの地点を計測点とし,各地点6箇所(計24箇所)に圧痕を付け破壊靭性値を算出したジルコニア試料の破壊靭性値は,フレーム厚さ0.4mmの試料では1.28~1.35の範囲内であり,厚さ0.8mmでは1.24~1.33の範囲内であった.また2種類の試料間において,フレームからの距離が0.5mm,1.0mm,2,0mmの地点では破壊靭性値に有意な差は認められなかった(p>0.05)が,1.5mmの地点では厚さ0.4mmの方が破壊靭性値が有意(p<0.05)に高かった.本実験の結果から,ジルコニアフレームにおけるベニヤポーセレンの破壊靭性値は,フレームの厚い試料において部分的な低下が見られることが示唆された.
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Research Products
(2 results)