2010 Fiscal Year Annual Research Report
補綴領域における歯科心身症の診断・治療に関する研究
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22791869
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 佑介 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (10451957)
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Keywords | 歯学 / 歯科心身医学 / 歯科補綴学 |
Research Abstract |
補綴歯科が、診断機器の発展、インプラント治療やマテリアルの進化で発展する陰で、説明のつかない慢性の痛みや咬合の違和感、味覚障害、異常感など様々な原因不明の症状に苦しむ患者群が存在する。このような患者は、歯科では「気のせい」「精神的な問題」として突き放され、それではと精神科や心療内科に行くと「歯のことはわからない」「精神科の範疇ではない」とされて、さながら医療難民と化し、望まざるドクターショッピングを強いられてきていた。本当に本人の訴えるように歯科的な問題なのか、それとも歯科心身症なのか、精神科疾患なのかも不明なままの患者が多く存在している。これらの問題の現状把握を目的として、歯科心身外来初診患者574名を対象にレトロスペクティブな検討を行った。患者には女性が多く、81%を占めた。患者の受診経路はほとんどが紹介で紹介元の6割は医科であった。初診時診断名は舌痛症がもっとも多く39%、次いで非定型歯痛18%、口腔異常感症15%であった。発症契機に関しては、歯科処置・口腔症状に関連するものか43%であった。また、舌痛症と非定型歯痛の患者にどのような精神科病名の診断名がつくかを調査した結果、舌痛症の51%、非定型歯痛の33%には精神科での診断名がついていなかった。これらの結果から、歯科心身症は精神科疾患とは本態が異なり、歯科で対応するべき疾患である可能性が示唆された。また昨今、歯科臨床上で大きな問題となってきた歯科インプラントが関係する歯科心身症患者の情報収集も開始した。これらの結果から歯科心身症の診断基準の妥当性を検討した。
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Research Products
(6 results)