2011 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティクス制御を用いた細胞工学的手法による新規骨造成法の開発
Project/Area Number |
22791873
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
秋葉 陽介 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70547512)
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Keywords | 再生医学 / 歯学 / 細胞・組織 / 発生・分化 / 生体材料 |
Research Abstract |
本研究は細胞工学的手法を用いた治療技術の確立を最終的な目的としており、細胞培養実験における細胞処理、処理細胞解析が重要である。作年までは細胞に対するHDACIの細胞毒性、為害性について検討していた。本年度はマウス骨芽細胞培養細胞系においてHDACI処理系と非処理系の細胞反応性について検討した。マウス骨芽細胞培養細胞系ではHDACI処理によって培養2週間、3週間後において優位に石灰化の上昇が観察された。またRT-PCRにより骨形成関連遺伝子であるRunx-2の優位な上昇も検出された。ラット骨膜由来細胞、歯根膜由来細胞、骨髄由来細胞、骨由来細胞に対し同様の処理を行ったが、石灰化は培養細胞系で見られたような石灰化の亢進が見られなかった。しかし遺伝子発現のパターンは培養細胞系に酷似している。また、ALP活性の上昇は観察されているため、各種の初代細胞系の採取部位は、石灰化が抑制されている部位であり、遺伝子発現様式が酷似していながら石灰化の亢進が観察されなかった原因は遺伝子発現調整機構以降のポストトランスクリプショナルな制御の可能性が考えられる。さらに生体内ではそれらの細胞採取部位が創傷治癒などの際に新生組織の細胞源となる所見が見られていることから、生体内での石灰化、新生骨形成への寄与を検討することを目的として、採取細胞を実験室内で培養しHDACI処理群、非処理群を作成、コラーゲンスポンジに播種し頭蓋骨欠損部位への移植実験を現在実行中である。 腹腔内注射によるHDACIの全身投与による欠損修復モデルにおいては欠損部位の修復速度がHDACI投与により優位に上昇しており、HDACIの骨組織新生における優位性について今後も検討を続けていく予定である。
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Research Products
(3 results)