2011 Fiscal Year Annual Research Report
咀嚼筋および頸部筋の疲労が全身のバランスに及ぼす影響について
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22791877
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
金城 篤史 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (70464021)
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Keywords | 顎関節症 / リハビリテーション / ストレス / 疲労 / 全身と咬合 / 体幹動揺 / 下顎運動 / 頭部運動 |
Research Abstract |
今後の研究の指標となる健常者データの蓄積を目的として,顎機能健常者におけるタッピング運動時の下顎運動と頭部運動,さらに体幹動揺の同時測定,分析を行った.下顎運動および頭部運動の測定には,6自由度顎運動測定装置TRIMET II(東京歯材社製)を使用し,体幹動揺の測定には,モーションキャプチャーシステムProReflex(Qualisys社製)を使用した.被験者は顎口腔機能に異常を認めないボランティア男性6名(25歳~29歳)とした.測定姿勢は自然直立で,頭部無拘束.被験運動はタッピング運動とし,頻度は3Hz,開口量は被験者が無理なく行えるなるべく大きな開口を指示した.下顎切歯点のカンペル平面に対する上下的移動距離を開口量とした.また,上顎切歯点の大地に対する上下的移動距離を頭部運動量とした.体幹動揺の分析点は胸骨点として,その前後的移動量を体幹動揺量とした. 結果,体幹動揺の時系列波形では下顎運動と頭部運動の波形とに協調した胸骨点の前後方向への波形が認められた.頭部運動量は0.6~10.7mmで開口量の5.2~40.5%の大きさであった.体幹動揺量は0.2~1.8mmで開口量の1.3~6.8%の大きさであった.開口量と頭部運動量,および頭部運動量と体幹動揺量との間に相関が認められた.すなわち,頭部運動量が増すと体幹動揺量が増すことが明らかになった. 下顎が運動し,随伴して頭部が運動すると,頸部より上での重心の移動が起こり,それに対して体幹が動くことによって身体全体の平衡をとっていることが考えられた.これらの結果は,今後の測定結果を評価する重要な指標になるとともに顎機能に異常を認める患者の病態を評価するための指標になると考えられる.また,さらに健常者および顎関節症患者のデータを蓄積するための効率的なデータ解析システムの確立を要すると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね測定システムの整備が整い、また健常被験者から得られた、今後の基準となる計測データが当初の予想と大きなずれはなかったため、今年度中に顎関節症患者のデータを計測し、健常被験者のデータとの比較が行えると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の顎関節症患者の診断基準となるデータを採取するために、健常被験者のサンプル数を増やして基準となるデータを確定していく。さらに顎関節症患者のデータを採取し、健常者データとの比較を行い、病態別の測定データへの現れ方の違いを分析し、分類をしていく。
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