2010 Fiscal Year Annual Research Report
機能性ペプチドSVVYGLRの抗炎症作用に着目した新規骨組織再生促進材料の開発
Project/Area Number |
22791882
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金田 善俊 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70448124)
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Keywords | SVVYGLR / 破骨細胞 / 骨組織再生 / 炎症 / インテグリン |
Research Abstract |
歯槽堤の欠損を再生することはインプラント、義歯治療の成功に大きく関わっているが、歯槽堤増成術後の骨組織は炎症作用によって吸収されてしまうという課題がある。我々はこれまでに合成ペプチドSVVYGLRが血管新生作用、骨再生促進作用を有することを報告してきた。歯槽堤における炎症反応には破骨細胞が大きく関与しており、機能性ペプチドSVVYGLRが破骨細胞に及ぼす影響を検討することは、骨組織再生時の炎症反応を理解するうえでも重要と考えられる。近年、破骨細胞の形成にはインテグリンα9β1が深く関与していることが報告されている。本研究において、マウス破骨前駆細胞をRANKLで刺激して分化誘導すると、細胞分化に伴いインテグリンα9の発現が増加し、一方で機能性ペプチドSVVYGLRを破骨細胞に作用させるとこの発現が抑制されるという知見を得ている。また、破骨細胞の細胞膜表面にはインテグリンαvβ3が恒常的に発現しており、破骨細胞の骨吸収能に大きく関与していることが知られている。さらに、ペプチドSVVYGLRが結合し得るインテグリンの検討を、接着実験および蛍光標識SVVYGLRを用いた実験により行った結果、SVVYGLRはインテグリンαvβ3と特異的に結合することが明らかとなった。すなわち、ペプチドSVVYGLRは破骨細胞上のインテグリンα9β1、αvβ3のふたつのインテグリンに結合することで破骨細胞に影響を与える可能性が示唆される。今年度の知見を基盤として、今後、機能性ペプチドSVVYGLRが炎症に関与する他の細胞に対して及ぼす影響を検討していく予定である。
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