2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22791890
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山本 修史 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60548634)
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Keywords | 咬合 / 歯科補綴 / 顎機能 |
Research Abstract |
機能的な咬合評価を行うため、咬合接触状態と顎運動のデータの重ね合わせを行う必要があるが、操作が煩雑であり臨床応用すること困難であるのが現状である。 簡便な咬合面形態記録方法として、日常歯科臨床でも頻繁に用いられている様々な咬合採得材が咬頭嵌合位における咬合接触状態を客観的に評価できるか検討を行った。材料精度やデータ処理方法から、CAD/CAMでも用いられているブラックシリコーンを用いて、咬頭接触歯数、咬合接触面積、咬合域面積を定量的に評価することを可能とした。 咬合の客観的な評価方法の確立のため、咬合の評価において最も重要とされている咬頭嵌合位について検討するため、健常有歯顎者12名を被験者として磁気式6自由度顎運動データから日常歯科臨床で頻繁に行われるタッピング運動について焦点をあて、その閉口位であるタッピングポイントの関係を検討した。顎運動データから、タッピングポイントを抽出するためのソフトウェアを開発し、被験者をタッピングポイントの安定群と不安定群に分類した。先述したブラックシリコーンで得られる評価項目について群間比較を行い、タッピングポイントの安定性と咬合接触の影響について評価を行った。結果として、タッピングポイント不安定群においては、安定群に比較して咬合接触面積や咬合域面積が小さくなる傾向が認められた。この結果から、タッピング運動を含む顎運動記録に咬合を機能的に評価するための臨床的な情報が含まれていることが示唆された。
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