2010 Fiscal Year Annual Research Report
末梢型ベンゾジアゼピン受容体遺伝子解析の治療リスク診断への応用
Project/Area Number |
22791898
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
牧野 路子 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (50550729)
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Keywords | ストレス / ブラキシズム / PBR / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
現在,睡眠時ブラキシズムは精神的ストレスと密接な関係にある中枢性の不随意運動と考えられている.睡眠時ブラキシズムの弊害として異常咬耗や歯科補綴治療の失敗,歯冠修復物の破折などが挙げられる.唾液中からクロモグラニンA(CgA,コルチゾールを精神的ストレスの評価指標として精神的ストレスと睡眠時ブラキシズムの関連について興味ある知見を得てきている(Makino M, Int J Prosthodont 22, 19-26, 2009).また,生体にストレスが加わると,コルチゾールの合成が盛んになる一方で,PBRも多量に産生され,血小板にもPBRが存在しストレスにより増加するので,PBR遺伝子の遺伝子多型の解析からストレス感受性の評価が可能であると報告されている(Folia Pharmacol Jpn. 2005. 125. 33-36).そこで本研究は,唾液中ストレスマーカーに加え,PBR遺伝子多型解析を用いて精神的ストレスを遺伝的要因も含めて総合的に評価することにより,精神的ストレスと睡眠時ブラキシズムとの関連を評価し、臨床診断に応用可能な知見を得ることを目的して検討を行うものである. 唾液・血液採取による精神的ストレスの評価として,唾液より唾液中ストレスマーカー(CgA,コルチゾール)の分析および血液よりPBR遺伝子多型の解析,自記式質問表による調査を行った.また,睡眠時ブラキシズムの評価として,携帯型筋電計を用いて睡眠中の咬筋筋活動の測定を行った.約30%の披験者にG/Aヘテロ型のPBR遺伝子多型が認められ,それ以外はG/Gホモ型であった.今後は,PBR遺伝子多型解析と睡眠時ブラキシズムの関連性について検討を行う予定である.
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