2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22791904
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
田坂 彰規 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (90453761)
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Keywords | 咀嚼 / チューイング / ストレス / コルチゾール / アミラーゼ / 咀嚼能率 |
Research Abstract |
I.目的 咀嚼によるストレス緩和について様々な研究がなされてきた.今回,個人が有する咀嚼する能力に着目し,咀嚼能率がチューイングによるストレス緩和効果に及ぼす影響を検討することを目的とした. II.方法 被験者は健常有歯顎者19名とした.30分間安静後に,ストレス負荷として暗算を30分間行わせた.その後10分間のチューイングを行い,10分間安静にし,実験を終了とした.コントロールはチューイング無しとした.ストレス状態の評価の指標として唾液中コルチゾール濃度を測定し,ストレス負荷直後からストレス負荷10分後の変化率を算出した.咀嚼能率の評価にはグルコセンサーGS-1(GC社製)を用いた.実験中のチューイング回数を確認するために,筋電計を用いて,両側咬筋の表面筋電図を導出した.統計処理は唾液中コルチゾール濃度の変化率を条件間で対応のあるt検定を行った.また唾液中コルチゾール濃度の変化率と咀嚼能率,チューイング回数との相関についてピアソンの相関係数にて検定した(α=0.05). III.結果と考察 ストレス負荷直後からストレス負荷10分後の唾液中コルチゾール濃度の変化率は,チューイングにおいて著しく減少し,条件間に有意差が認められた.唾液中コルチゾール濃度の変化率と咀嚼能率との間に相関関係は認められなかった.唾液中コルチゾール濃度の変化率とチューイング回数との間に負の相関関係が認められた(r=-0.49). 今回の研究で,チューイングによるストレスの緩和効果には咀嚼能率よりもチューイング回数が影響を及ぼしていることが明らかとなった.
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Research Products
(4 results)