2011 Fiscal Year Annual Research Report
コーンビームCT画像を用いたインプラント周囲骨梁のマイクロメカニクス
Project/Area Number |
22791905
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
松永 智 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (70453751)
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Keywords | 有限要素解析 / コーンビームCT / ヒストグラム / 歯科用インプラント / マイクロCT / 顎骨内部構造 / バイオメカニクス / 骨梁 |
Research Abstract |
我々は、歯科インプラント周囲の骨梁構造を考慮した高精度バイオメカニクスシミュレータの実現を目標とし、歯科用コーンビーム(CB)CTデータベースの解析精度について調べ、臨床応用に必要な信頼性を有するかについて検討した。はじめにマイクロCTデータとCBCTデータに基づき解析モデルを作製した。それぞれの解析モデルにおける対象領域内の断面について代表寸法を設定して形状の比較を行ったところ、歯根方向の誤差は5%以下とよく一致していたが、頬舌方向の誤差は10%程度であった。一方、下顎下縁近心皮質骨領域の断面で、非常に大きい誤差が認められた。次に、インプラントと下顎管の距離が周辺の応力状態に与える影響について調べる際、下顎管周辺における応力分布を評価するためにヒストグラムを作製した。我々が今回、新規採用したヒストグラム表記は、1点の応力を評価しても無意味な場合に、三次元的な分布を定量的に評価することができる。我々が最も重要視する高応力部分で、どの解析結果も非常に良く一致していた。低応力域においては誤差が大きいものもあるが、一般的に形状が違っていても応力にはあまり影響を及ぼさないと考えられる。今回の解析結果から、CBCTデータを用いた力学解析においても、有効なポスト処理を追加することで、臨床応用に足る高精度解析が可能であると考えられた。同時に、CBCTの撮像分解能が応力解析精度に及ぼす影響を明らかにしたことで、生体力学的な視点から微視的モルフォロジーを考慮する重要性が臨床の現場にも提案され、骨のリモデリングに大きく関与するメカニカルストレスという目にみえない因子を可視化し、これを制御していく新しい治療に結びつくと考えている。
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Research Products
(4 results)