2010 Fiscal Year Annual Research Report
経時的チタン劣化現象の新たな材料定義のエビデンス構築と回復方法の探究
Project/Area Number |
22791908
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
堀 紀雄 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (20386832)
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Keywords | チタン / インプラント / 生体材料 / 表面性状 / エイジング / 表面加工 / タンパク吸着能 / オッセオインテグレーション |
Research Abstract |
歯科、整形外科領域などのインプラント治療に使用されているチタン材料は、安定で表面効果は変わらないと考えられている。しかし、チタン表面加工後からの保管する時間経過によって表面特性が変化し、骨形成能が低下することが報告されてきている.しかしながら、このチタン表面劣化現象の詳細は未だ不明な点が多く、エビデンス構築までは至っていない。本研究は、チタン表面加工後から始まる経時的劣化現象のメカニズム解明とエビデンス構築基盤を確立すること、またその解決(回復)方法を模索することを目的とし,研究を行った. 本年度は,チタン表面加工による試料を作製した.表面形状は,機械研磨面,酸処理面,サンドブラスト面とした. 表面を作製してからの時間経過を管理し,保管を行った.表面加工直後新鮮面から表面加工後4週間経過後までの間、表面形状,表面性状に違いが生ずるが検討を行った.表面粗さは,時間が経過しても有意な変化は認められなかったが,表面の濡れ性および表面元素の構成には変化が認められた.表面の濡れ性は,加工直後の新鮮面では,超親水性を示したのに対し,加工後3日を経過した時点から疎水性傾向となり,時間とともに疎水性へと変化した.これに伴い,表面の元素分析を行ったところ,炭素の付着増加が観察された. これらの表面に対し,タンパク吸着能試験を行ったところ,表面加工後の時間経過とともにタンパク吸着能の減少が認められた.加工後4週間経過した表面では,加工直後新鮮面をと比較し,タンパク吸着能の割合は,約3分の1にまで減少していることが確認された.
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