2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨再生用ナノコーティングスキャフォールドを用いた歯周組織再生療法の開発
Project/Area Number |
22791916
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮治 裕史 北海道大学, 病院, 講師 (50372256)
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Keywords | ナノ材料 / 再生医学 / 細胞・組織 / スキャフォールド / 骨再生 |
Research Abstract |
ナノ技術を応用した歯周組織再生療法の開発を目的として,本研究ではナノリン酸カルシウム(nTCP)でスポンジ型コラーゲンをコーティング処理したスキャフォールドを作成し,生体への効果を組織学的に検討した. nTCPを作製後5~100nmの大きさに分散させ,濃度4%のコラーゲンスポンジ表面に吹付けコーティング処理を行い,nTCPスキャフォールドを作成した.コーティングの状態をSEM,およびTEMにて観察した.次にnTCPスキャフォールドに線維芽細胞増殖因子(FGF2)を含浸させ,麻酔下で10週齢のラットの頭蓋骨上に移植した.コントロールとしてコーティング処理を行っていないコラーゲンスポンジを移植した.観察期間は14,35日とし,通法に従って薄切標本を作製し組織学的評価を行った. SEMおよびTEMにて観察した結果,コラーゲンスポンジ表面に直径1μm以下のnTCPが無数に付着しているのが観察された.付着状態はコラーゲンスポンジ内部でも同様であった.移植後14日においてnTCPスキャフォールド内に線維芽細胞の侵入増殖が認められ,nTCPスキャフォールドの結合組織への置換が起こっており,炎症性細胞浸潤も少なかった.FGF2を含浸後35日において,nTCPスキャフォールド移植群では頭蓋骨増生が認められ,またnTCPスキャフォールドの圧縮量が少なく再生の場を確保していた.以上の結果から,nTCPスキャフォールドは生体親和性に優れ,機械的強度も向上し,骨再生のためのスキャフォールドとして有効である可能性が明らかになった.現在,組織学的計測を継続中である.
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Research Products
(10 results)