2010 Fiscal Year Annual Research Report
接着性ナノハイドロキシアパタイト‐コラーゲン複合体膜の開発
Project/Area Number |
22791917
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
天雲 太一 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (80451425)
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Keywords | 再生療法 / ナノ / ハイドロキシアパタイト / 接着性 |
Research Abstract |
本研究の目的は混和法にて精製した代用人工骨膜であるナノハイドロキシアパタイトーコラーゲン複合体膜の架橋剤に生体接着剤を応用することで接着性を有した代用人工骨膜を開発することである。 これまでにハイドロキシアパタイトの含有量70%で架橋剤を生体接着剤であるTAD(0.1-1mmol)としたところ、いずれにおいても接着性は認められたものの、架橋材として機能せず、機械的強度が弱いことが認められた。そこで架橋材としてEDCを使用し、さらにTADを添加したところ、機械的強度は増加し接着性が認められた。しかし、生体親和性を見るためにラット大腿筋にラット象牙質片とともに移植したところ、材料自体が移植の段階で散在し、機械的強度が操作性に耐えられない状態で、引っ張り試験で測定することができなかった。そのため、代用人工骨膜自体の強度の向上を図る必要性が生じてきた。一方、生体接着剤でも使用されるフィブリンはコラーゲンとの親和性もよく、機械的強度もあるため、これに着目して機械的強度の向上を目的とした実験を検討した。TADは加えず代用人工骨膜精製過程で0.05-0.3mg/ml : fibrinogen単独で添加した場合、EDCの場合と比べて機械的強度の向上が認められたが、接着性は認められなかった。また、生体親和性を見るためにラット大腿筋にラット象牙質片とともに移植したところ、重篤な炎症反応も認められず、4週においてほとんど分解されていたことから生体親和性、生体分解性について問題はないことが観察された。しかし、単独では骨組織の形成は観察されず、BMP-2を含浸させた移植実験では食う組織の形成が確認されたことから開発した代用人工骨膜はBMP-2の単体として機能することが確認された。このことはH22度にナノバイオメディカル学会シンポジウムにて発表した。さらに架橋剤をEDCとし、フィブリノゲン及びTDAを加えて精製した代用人工骨膜は接着性を有し、機械的強度が増すことが確認できた。
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Research Products
(1 results)