2011 Fiscal Year Annual Research Report
周波数掃引光コヒーレンストモグラフィーの信号強度と歯硬組織の特性の関連性
Project/Area Number |
22791924
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
サダル アリレザ 東京医科歯科大学, 歯と骨のGCOE拠点, GCOE拠点形成特任教員 (20567755)
|
Keywords | 歯学 / 光コヒーレンストモグラフィー / 屈折率 / 画像診断 / エナメル質 / 象牙質 |
Research Abstract |
本研究の主たる目的は、歯科領域におけるSS-OCTシステム(Swept-Source Optical Coherence Tomography;光干渉断層画像診断法)の開発を行い、歯牙硬組織診断装置として実用化させることである。従来の歯牙硬組織の画像診断には、デンタルX線が用いられてきたが、撮影に際してX線の被爆を避けることができない。OCTは医科領域、特に眼科領域では眼底(網膜)の診断装置として画期的な方法として評価されている。SS-OCTは測定開始から直ちに深部の画像や3D画像を得ることができ被爆も無いことから、歯牙硬組織の革命的な画像診断装置として期待されているが、歯科領域において使用するにはSS-OCTの基礎的な特性を理解し、歯牙硬組織の診断に適した装置に改良していく必要がある。SS-OCTを使って歯牙硬組織の内部を観察するには、歯牙のエナメル質と象牙質の屈折率について理解する必要がある。エナメル質の屈折率は1.63であるが、象牙質の屈折率は象牙細管の走行によって左右される。光の入射方向が象牙細管の走行と並行な場合は屈折率が低くなり、反対に直行する場合は高くなる傾向がある。その値は1.49~1.59まで変化することがわかった。さらにエナメル質や象牙質は脱灰されると、屈折率は低くなり、光学距離は短くなることが解明された。このような各種歯牙硬組織の屈折率の変化はSS-OCTにおいて、物体を透過する際の距離の変化となって現れ、脱灰距離を計測することが困難となる。しかしながら逆にこれらの条件をもとに、エナメル及び象牙質の屈折率を計測すれば、脱灰や再石灰化の状態をSS-OCTを使って診断することが確認できた。さらにSS-OCTにより、リアルタイムで複合系(硬組織-接着剤-コンポジットレジン)における変化、重合収縮方向性に起因する界面部位の変位、硬組織の変形、あるいはギャップの発生の視覚化が可能となった。
|
Research Products
(10 results)