2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規開発遅延型吸収性ナノゲルメンブレンを用いた骨増生における有効性の評価
Project/Area Number |
22791925
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小林 裕史 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (10570814)
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Keywords | 再生歯学 / GBR / ナノゲル / メンブレン |
Research Abstract |
本研究はラットの頭蓋骨欠損モデルでGuided Bone Regeneration(GBR)処置におけるCHPナノゲルメンブレンの有効性について検討することである。 ナノゲルメンブレンの作製方法として親水性多糖であるプルランに疎水性基であるコレステロール基を部分的に置換したコレステリル基置換プルランと架橋剤(PEG-SH)と混ぜた後、パラフィルムの上に落とし、上からパラフィルムでコートされたガラス板で圧力をかけ、直径6mm厚さ0.4mmのメンブレン状にした。東京医科歯科大学動物実験倫理委員会の承認の上、Wistar系雄ラット(16w)を使用して、頭蓋部を切開・剥離し、頭蓋骨頭頂部に左右対称に生理食塩水注水下で直径5mmのトレフィンバーでCritical Sizedefectの骨欠損を作成する。実験群として(1)未処置(コントロール群)(2)ナノゲルメンブレン(3)吸収性コラーゲンメンブレンの3群としてGBR処置を行った。各群とも観察期間を2、4、8週間とし、放射線学的・組織学的検討を行った。 マイクロX線CT撮影の結果より、ナノゲルメンブレン群の新生骨量は、術後2、4週において対照群、コラーゲンメンブレン群と比較して統計学的に有意に増加していた。また、ヘマトキシレン・エオジン染色による組織学的検討により、ナノゲルメンブレンは術後2、4週において他の群と比較して顕著に成熟した新生骨の形成が認められた。コラーゲンメンブレン群は,メンブレンの中から石灰化が始まっていた。これはコラーゲンメンブレンの中に細胞が入り込みそこから石灰化が始まったためと考えられる。一方、ナノゲルメンブレンの架橋密度は細胞の大きさより小さく治癒期間初期において細胞を通さないため、メンブレン直下で新生骨ができたと推測できる。 結論として、我々が開発したCHPナノゲルメンブレンはGBR用メンブレンとして有効であることが示唆された。
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