2010 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪由来幹細胞組み込み型フィブリンゲルによる骨再生法の開発
Project/Area Number |
22791930
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田島 暢崇 長崎大学, 病院, 助教 (00447492)
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Keywords | 脂肪由来幹細胞 / 骨再生 / フィブリン |
Research Abstract |
当該研究では、当初の計画としてH22年度にラットの皮下脂肪より脂肪由来幹細胞(ADSCs)の分離、培養法の確立およびin vitroにおけるADSCsの骨芽細胞系への分化能の確認、さらには本細胞を組み込んだ自己フィブリンゲルの移植実験を行い、その骨形成を評価する計画としていた。われわれはまず、F344鼠蹊部脂肪組織をコラゲナーゼ処理行い、ADSCsを安定して分離する事に成功した。さらにこの細胞を骨芽細胞系分化培地(dexamethasone, ascorbate-2-phosphate, beta-glycerophosphate添加)で培養行い、alkaline posphatase activityが上昇することを確認した。そこで次にADSCsを組み込んだフィブリンゲルを用いた移植実験を行った。まずF344より血液凝固防止のためcitrate phosphate dextrose液を添加して採血を行い、遠心加工することでフィブリンを含んだ血漿成分を抽出した。この血漿成分へADSCsと塩化カルシウム溶液を混濁させゲル化することでADSCs-fibrin gel複合体を作製した。比較対象として、ラット大腿骨の骨髄液より分離した骨髄細胞(BMSCs)を、同様の手技によりfibrinへ組み、BMSCs-fibrin gel複合体を作製し、ADSCs-fibrin gelとともにラット頭蓋骨に作製した、骨欠損部へ移植行い、3週後に採取して、骨形成を組織学的に評価した。ADSCs群、BMSCs群の両群とも何も移植を行わなかったコントロールと比べ良好な骨形成を認めていたが、ともに有意差は認めなかった。
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